内科の中には循環器科、呼吸器科、消化器科、腎臓内科、血液内科、膠原病科など多岐にわたる医療が含まれます。現代の複雑な内科学において、その全てに渡り精通することはできませんが、総合内科医として病状を把握し、必要とあらば各専門医に速やかに紹介していくことが求められています。それには多くの経験と知識が必要なことは言うまでもありません。
一般内科疾患には次のようなものがあります。
何かお困りごとがございましたら、お気軽にご相談下さい。
高血圧とは血管(動脈)に過度の圧力がかかった状態を指しています。
日本での診断基準は140/90mHg以上とされています。アメリカでの診断基準は130/80mHgとより厳しいものとなっています。高血圧症が続くと動脈に負担がかかり動脈硬化が進んでしまいます。動脈硬化が脳の血管で進行すれば脳出血や脳梗塞が起こります。腎臓の血管で起これば腎機能が障害され最後は血液透析に至ります。心臓の血管(冠動脈)に起これば心筋梗塞や狭心症となり、心不全を起こしてきます。高血圧を放置していると結果として命を短くしてしまいます。よく患者さんから「血圧の薬を飲み始めると一生飲まなければならないので飲みたくない」などと言われます。減塩、肥満の改善、禁煙など生活習慣を改めることにより薬を中止したり減量することも可能です。高血圧は万病のもとです。病状がなくとも決して放置せず、治療を継続して下さい。
脂質異常症の診断基準は下記のようになっています。
LDLコレステロールは悪玉コレステロールとも言われます。余分なLDLコレステロールは血管壁に沈着し動脈硬化を起こしてしまいます。これに対しHDLコレステロールは血管壁に沈着したコレステロールを引き抜いてくることから善玉コレステロールと呼ばれます。中性脂肪は大切なエネルギー源ですが過剰になるとHDLを減らしLDLを増やしてしまいます。結果として動脈硬化を起こしてしまいます。動脈硬化は高血圧を引き起こし前述したように各臓器の疾患に繋がります。過食や運動不足による肥満の改善、ストレス、過労、喫煙などの生活習慣の見直しから始めて下さい。
脂質異常症:スクリーニングのための診断基準(空腹時採血)
LDLコレステロール | 140mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 |
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120~139mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症 | |
HDLコレステロール | 40mg/dL未満 | 低HDLコレステロール血症 |
トリグリセライド | 150mg/dL以上 | 高トリグリセライド血症 |
尿酸は体内でできる老廃物の一つです。
尿酸値が7.0mg/dlを超えたら「高尿酸血症」と呼びます。高尿酸血症は高血圧や糖尿病、メタボリック症候群とも密接に関係しており、心筋梗塞や脳血管障害を起こす危険が高まります。痛風発作は尿酸の結晶が関節内に沈着して起こる関節炎です。足の親指の付け根が腫れ上がり激痛に襲われます。尿酸の結晶が腎臓に沈着すると腎機能が侵され痛風腎と呼ばれ血液透析に至ることもあります。痛風発作を起こしたことがある人、尿酸値が8mg/dl以上で合併症のある方、尿酸値が9mg/dl以上の方は薬での治療が薦められます。
糖尿病の診断は早朝空腹時血糖126mg/dl以上もしくは随時血糖200mg/dl以上またはグリコヘモグロビン値(HbA1c)が6.5%以上と確認された場合に糖尿病と判定されます。
糖尿病の怖いところはその合併症にあります。血糖が500~1000mg/dlにもなると糖尿病性ケトアシドーシスを引き起こし、直ぐに治療しないと死に至ります。慢性の合併症は高血糖状態が長く続くことにより起こる細小血管の異常からくる網膜症、腎機能障害、神経障害が起こってきます。失明、血液透析に至ることもまれではありません。また、大血管障害として冠動脈疾患、脳血管障害も頻度の高い合併症です。下肢の末梢血管障害から下肢の切断となることもあります。高血圧、脂質異常が合併してくるとなおこれらの合併症が起こりやすくなります。糖尿病と診断されたら医師の指示に従って充分な治療を心がけて下さい。